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組み込みハードウェアの開発・設計費用削減のポイント!

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組み込みハードウェアの開発を検討する際、プロジェクト全体の成否を左右するのが開発・設計にかかる費用です。しかし、その算出方法は複雑で、何から手をつければ良いか分からないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、組み込みハードウェアの開発・設計費用を構成する要素を一つひとつ解説し、具体的な算出方法やコストを抑えるためのポイントを分かりやすくご紹介します。これからハードウェア開発を始めようと考えている企業の担当者様や、費用算出に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

組み込みハードウェアの定義

組み込みハードウェアの定義は、やや曖昧であり、個々人によって想定される対象範囲が異なります。当記事では、組み込みハードウェアを、その名の通り、機器に組み込まれるハードウェアと定義します。即ち、組み込みハードウェアは回路・基板周辺の要素とします。

組み込みハードウェア開発費用の内訳

組み込みハードウェアの開発費用は、主に初期費用と製造費用の二つに分けられます。初期費用は、製品を量産する前に発生する費用で、主に開発・設計費用、試作費用などが含まれます。一方、製造費用は、量産段階に入ってから発生する費用で、部品代、組立費用、検査費用などが該当します。本記事では、この中でも特に算出が難しいとされる初期費用、中でも開発・設計費用に焦点を当てて解説します。

組み込みハードウェアの設計・開発費用を構成する要素

組み込みハードウェアの設計・開発費用は、一つの項目で決まるものではなく、様々な要素の積み重ねで算出されます。主な構成要素は以下の通りです。

企画・要件定義費用

まず、製品のコンセプトを固め、どのような機能を持たせるか、どのような性能を実現するかといった要件を定義するフェーズです。この段階で、プロジェクトの方向性を決定し、全体の工数を見積もります。この工程に十分な時間をかけることで、後の手戻りを防ぎ、結果的にコスト削減につながることが多いため、非常に重要なプロセスとなります。
また、この工程でハードウェアで実現するか、ファームウェアで実現するかの判断も行います。

回路設計費用

製品の機能を実装するための電子回路を設計する費用です。具体的には、どのICや部品を使うかを選定し、それらをどのように接続するかを決定します。アナログ回路、デジタル回路、電源回路など、設計する回路の種類や複雑さによって費用は大きく変動します。特に、高速通信やノイズ対策が必要な場合は、高度な技術力が必要となり、費用が高くなる傾向にあります。

ファームウェア開発費用

ハードウェアを動かすためのソフトウェアであるファームウェアの開発費用です。MCU(マイコン)のプログラミングや、各種センサーからのデータ読み取り、モーターなどの制御プログラムなどが含まれます。ファームウェアの機能が多岐にわたる場合や、高度な処理が求められる場合は、開発工数が多くなり、費用も高くなります。

基板設計(PCB設計)費用

回路設計で決定した内容に基づき、実際に電子部品を配置し、配線を行うためのプリント基板(PCB)を設計する費用です。基板のサイズ、層数、配線の密度など、様々な要因で費用が変動します。小型化や高密度な実装が求められる場合、高度な技術が必要となり、費用が増加します。

組み込みハードウェアの開発費用を算出するためのポイント

これらの要素を考慮して費用を算出する際には、以下のポイントを押さえることが重要です。

プロジェクトのスコープを明確にする

どのような機能をどこまで実装するのか、事前に詳細な要件を定義しておくことが重要です。要件が曖昧なままプロジェクトを進めると、途中で仕様変更が発生し、手戻りによる追加費用が発生するリスクが高まります。

開発リソースの選定

自社で開発リソースを保有しているか、外部の専門業者に委託するかによっても費用は大きく異なります。外部委託の場合、信頼できる開発パートナーを選定することが成功の鍵となります。

試作回数を最小限に抑える

試作は、製品の動作確認や問題点の洗い出しに不可欠ですが、試作の度に費用が発生します。最初の設計段階で十分にシミュレーションを行い、試作回数を最小限に抑えることで、コストを削減できます。

組み込みハードウェアの開発費用を抑えるための方法

開発費用を抑えるためには、いくつかの工夫が考えられます。

既存のモジュールやプラットフォームを活用する

ゼロから全ての回路を設計するのではなく、既存のCPUモジュールや通信モジュールなどを活用することで、回路設計やファームウェア開発の工数を大幅に削減できます。

汎用部品の採用

入手が容易で安価な汎用部品を積極的に採用することで、部品代を抑えることができます。特殊な部品は、調達コストが高くなるだけでなく、製造終了のリスクも考慮する必要があります。

シミュレーションソフトの活用

開発段階で、シミュレーションソフトを積極的に活用することで、試作前に問題点を発見し、手戻りを減らすことができます。これにより、試作回数を減らし、コスト削減につながります。

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