開発・設計 豆知識
基板・ボードのリバースエンジニアリングの流れ
- 回路・基板設計
電子機器ユニット 受託開発・製造センターを運営するSST設計開発センター株式会社では、現物から基板・ボードのリバースエンジニアリングを承っています。そこで、当記事では、当社がどのような手順で基板・ボードのリバースエンジニアリングを行っているかご紹介したいと思います。是非最後までご確認ください。
現物がある場合(仕様書・データシート無し)
①現物の使用用途等の現状把握をヒアリングする
実際に使用している状況や用途、相手物となるアプリケーションなどの情報が必要です。
②現物を解析する
X線検査装置/デジタルマイクロスコープ/SEM(走査電子顕微鏡)/FIB(集束イオンビーム)装置/
ガーバーデータ解析ソフトウェア/オシロスコープ/スペクトラムアナライザを用いて、基板・ボードの現物を解析します。
③解析結果を基に、回路図を作成その後部品リストを作成する
回路図を作成し製造に必要な詳細データをガーバーデータへ落とし込みます。詳細データの例:銅トレース/パッド、基板外形/サイズと位置、各種レイヤー(ソルダーマスク、シルクスクリーン、レジスト)、ビア情報 etc.
④ガーバーデータを基に、基板・ボードを製作する
ガーバーデータを基に、基板・ボードを製作します。この時、リバースエンジニアリングの品質に問題がないか、お客様と細かくすり合わせます。
古い回路図がある場合(現物無し)
①回路図通りに作ろうと思うと、廃盤部品が多い
古い回路図から基板・ボードを製作しようとしたとき、廃盤部品がある事も多く、困るケースもあります。
②廃盤部品の相当品を選定する
回路図を基に、廃盤部品を確認した上で、相当品の選定を行っていきます。部品表(BOM)があると相当品検索も早くなります。
③ガーバーデータを製作する
求められる動作を実現しようと思うと、相当品によっては一部分の設計変更などが伴うケースもあります。そのため、相当品を選定した上で、再度ガーバーデータを製作します。
④ガーバーデータを基に、基板・ボードを製作する
ガーバーデータを基に、基板・ボードを製作します。この時、リバースエンジニアリングの品質に問題がないか、お客様と細かくすり合わせます。
電子機器ユニットのリバースエンジニアリング事例
当社がリバースエンジニアリング対応した実績の一部をご紹介します。
ECUのリバースエンジニアリング
当事例では、「15年前に量産を行っていたECUを再度量産したいが、金型等を全て破棄しており対応してくれる先がない…」とお客様は非常にお困りで、幅広い電子機器ユニット関連のリバースエンジニアリングの実績がある当社にご相談いただきました。そこで、残っていた過去の基板図・部品表・検査情報と現品のみから量産化の検討を進めました。
まず、過去の部品表を基に部品を再検討しました。EOL品も多数あったためコンパチ品を含めて模索し、部品変更を行いながら再設計を行いました。また、パターン図などがなく、現品を細かく把握する必要があったため・・・
電子機器ユニットのリバースエンジニアリングならお任せください!
電子機器ユニット 受託開発・製造センターでは、リバースエンジニアリングはもちろん、電子機器ユニットの構想設計から回路設計・基板設計・機構設計、さらには製造・試験までワンストップで対応しています。電子機器ユニットの開発・設計・製造の委託先にお悩みの皆様、是非一度当社にご相談ください。