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基板開発・設計の基礎:樹脂ポッティングとは?

  • 回路・基板設計

電子機器の信頼性を高める上で欠かせない技術の一つに、「樹脂ポッティング」というものがあります。過酷な環境下で使用される電子機器・基板類にとって、樹脂ポッティングは基板を保護し、長寿命化を図るために重要な役割を果たします。当記事では、基板の樹脂ポッティングの基礎知識から、そのメリット・デメリットまでを詳しく解説します。

基板の樹脂ポッティングとは?

樹脂ポッティングとは、電子基板や電子部品を樹脂で封止する技術のことです。これにより、基板を外部環境から保護し、機械的強度や電気的絶縁性を高めることができます。

ポッティングに使用される樹脂は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂など、用途に応じて様々な種類が選択されます。これらの樹脂は、硬化後に基板をしっかりと保護し、湿気、塵、振動、衝撃などから電子部品を守ります。

樹脂ポッティングのメリット

樹脂ポッティングには、電子機器の信頼性と耐久性を向上させる多くのメリットがあります。

環境保護

湿気、塵、化学物質など、外部環境からの影響を遮断し、基板を保護します。これにより、電子機器の寿命を延ばし、故障のリスクを低減できます。

機械的強度向上

樹脂が硬化することで、基板全体の機械的強度が増し、振動や衝撃による損傷を防ぎます。特に、車載機器や産業機器など、過酷な条件下で使用される電子機器にとって重要です。

電気的絶縁性向上

樹脂が電気絶縁体として機能し、基板上の電子部品間の短絡を防ぎます。高電圧回路や高密度実装された基板において、安全性を高める上で有効です。

樹脂ポッティングのデメリット

一方で、樹脂ポッティングにはいくつかのデメリットも存在します。

基板修理・部品交換が難しくなる

樹脂で封止された電子部品は、修理や交換が非常に困難になります。そのため、試作段階や開発初期段階でのポッティングは慎重に検討する必要があります。

重量増加

樹脂を使用することで、基板全体の重量が増加します。軽量化が求められるモバイル機器などでは、重量増加がデメリットとなる場合があります。

コスト増加

樹脂材料費やポッティング工程の追加により、製造コストが増加します。大量生産される電子機器においては、ポッティングによるコスト増加を考慮する必要があります。

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樹脂ポッティングは、電子機器の信頼性を高めるための有効な手段ですが、メリット・デメリットを十分に理解した上で検討する必要があります。基板開発・設計においては、使用環境や製品特性に応じて、最適な樹脂材料とポッティング方法を選択することが重要です。

SST設計開発センターでは、基板開発・設計から製造まで一貫したサービスを提供しています。樹脂ポッティングに関するご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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