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組み込みハードウェアとは?種類、設計の流れ・ポイントを徹底解説

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近年、私たちの身の回りにある多くの電子機器に組み込まれている「組み込みハードウェア」。スマートフォン、家電製品、産業機器など、その用途は多岐にわたります。しかし、「組み込みハードウェアとは何か?」と聞かれると、正確に答えられる方は少ないのではないでしょうか。

この記事では、組み込みハードウェアの基礎知識から、種類、設計の流れ・ポイントまで、分かりやすく解説します。組み込みハードウェアについて深く理解したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

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組み込みハードウェアとは?

組み込みハードウェアとは、「特定の機能を実現するために、電子機器やシステムに組み込まれる専用のハードウェア」のことです。汎用的なパソコンとは異なり、特定の用途に特化しているため、効率的かつ高性能な動作を実現できます。より深く理解するために、組み込みソフトウェア、組み込み機器との関係性から解説します。

組み込み機器

ハードウェアは、電子機器の物理的な構成要素であり、ソフトウェアと組み合わせて使用することで初めて機能します。そして、特定の用途に特化した機器が「組み込み機器」です。テレビ、冷蔵庫などの家電製品はもちろん、それらを構成する部品(冷却装置や液晶ディスプレイなど)も組み込み機器に含まれます。

組み込みソフトウェア

ソフトウェアは、コンピュータを動かすプログラムのことで、「Aという信号が入力されたらBという動作をする」といった制御を行います。組み込みソフトウェアは、特定の用途に限定されたソフトウェアです。例えば、自動改札機は「切符の判定」「料金計算」「改札の開閉」といった特定の動作のみを行います。このように、特定のタスクに特化しているのが組み込みソフトウェアの特徴です。

組み込みハードウェア

組み込み機器を構成するソフトウェアとハードウェアのうちのハードウェアのことです。特定の機能を実現するために最適化されており、組み込みソフトウェアと連携して動作します。

組み込みハードウェアの設計要素

組み込みハードウェアの設計には、さまざまな要素が含まれます。

プロセッサ、FPGA、ASIC

ソフトウェアで動作させるプロセッサやマイコン、ハードウェア記述言語で機能を記述するASICやFPGAなどがあります。

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基板

電子部品を実装するための基板。回路設計や部品選定、基板設計などが必要です。

筐体

機器を保護し、外部環境から遮断するための筐体。強度や耐久性、放熱性などを考慮する必要があります。

機械装置

組み込みハードウェアとソフトウェアを組み合わせ、完成品として動作させるための装置設計。

組み込みハードウェアの設計の流れ

組み込みハードウェアの設計は、一般的に以下の流れで進められます。

STEP①:仕様決定

製品の目的や機能を明確にし、必要なハードウェアの仕様を決定します。

STEP②:回路設計

電子回路を設計し、部品を選定します。

STEP③:基板設計

回路図に基づいて基板を設計します。

STEP④:筐体設計

基板や部品を収納する筐体を設計します。

STEP⑤:試作・評価

試作品を作成し、動作確認や性能評価を行います。

STEP⑥:量産設計

量産に適した設計に変更し、製造工程を確立します。

組み込みハードウェアの開発・設計・製造ならお任せください

組み込みハードウェアは、私たちの生活を豊かにするさまざまな電子機器に不可欠な技術です。設計には専門的な知識と技術が必要ですが、この記事で解説した基礎知識を理解することで、組み込みハードウェアへの理解を深めていただけたかと思います。

SST設計開発センターでは、組み込みハードウェアの設計・開発から製造まで一貫したサービスを提供しています。組み込みハードウェアに関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

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