開発・設計 豆知識

CPLDとは?CPLDとFGPAの違いを解説

  • 回路・基板設計

近年、エレクトロニクス業界では、開発期間の短縮や製品の多機能化が求められています。その中で、組み込みボード開発・設計において、CPLD(Complex Programmable Logic Devic e)とFPGA(Field-Programmable Gate Array)は、柔軟性と高性能を兼ね備えた重要なデバイスとして注目されています。この記事では、CPLDに焦点を当て、その基本的な概念、メリット・デメリット、そしてFPGAとの違いについて解説します。

CPLDとは?

CPLDは、複雑なプログラマブル論理デバイスの一種であり、FPGAと同様にユーザーが回路構成をプログラムできる集積回路(IC)です。CPLDは、複数のプログラマブル論理ブロック

(PLB)を内部配線で接続した構造を持ち、比較的小規模な回路設計に適しています。

CPLDとFPGAの違い

CPLDとFPGAは、どちらもプログラマブル論理デバイスですが、それぞれ異なる特徴を持っています。

>>組み込みボード開発・設計の基礎:FPGAのメリット・デメリット

①アーキテクチャ

CPLDは、PLBを内部配線で接続した構造であるのに対し、FPGAは、論理ブロック(CLB)をプログラマブル配線で接続した構造を持ちます。

②集積度

FPGAは、CPLDに比べて集積度が高く、より大規模な回路設計が可能です。

③柔軟性

FPGAは、CPLDよりも回路規模が大きいので、より複雑な回路設計に対応できます。

④消費電力

CPLDは、FPGAよりも回路規模が小さいため、消費電力が低い傾向があります。

>>組み込みボード開発・設計の基礎:FPGAとASICの違い

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CPLDのメリット

CPLDは、以下のようなメリットがあります。

設計の柔軟性

ユーザーは、ソフトウェアを用いて回路構成を自由にプログラムできるため、設計変更に柔軟に対応できます。

開発期間の短縮

ハードウェア設計をソフトウェアで代替できるため、開発期間を短縮できます。

高い信頼性

CPLDは、不揮発性メモリを使用しているため、外部メモリが不要で、システムの信頼性が向上します。

低消費電力

FPGAに比べて消費電力が低いため、バッテリー駆動のデバイスに適しています。

CPLDのデメリット

一方で、CPLDには以下のようなデメリットも存在します。

大規模な回路設計には適していない

FPGAに比べて集積度が低いため、大規模な回路設計には適していません。

 FPGACPLD
実装できる論理ゲート数万ゲート以上数千ゲート程度
プログラミング素子SRAM素子等揮発性メモリ(電源が切れると内容も失われてしまうメモリ)EEPROM素子等不揮発性メモリ(電源が切れても内容が保持されるメモリ)
コンフィグレーションの頻度電源が切れるたびに内容が失われてしまうので、外部の記憶媒体から再度転送が必要電源が切れても内部で保持されているため、プログラムを再転送する必要はなし
単価高価安価

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