開発・設計 豆知識

FPGAとASICの違い

  • 回路・基板設計

当記事では、組み込みボード開発・設計の基礎と題しまして、FPGAとよく比較されるASICの特徴・違いについてご紹介したいと思います。是非最後までご覧ください。

FPGAとは何か?

FPGA(Field Programmable Gate Array)は、フィールド(現場)で回路構成をプログラムできる集積回路です。ASICのように製造時に固定されるのではなく、設計者が自由に回路構成を変更できるため、高い柔軟性が求められる場面で活躍します。

FPGAの特徴は下記の通りです。

  • プログラム可能性: 必要に応じて回路構成を変更可能。
  • 迅速な開発: 回路設計に関する知識があれば、短期間で開発が可能。

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ASICとは何か?

ASIC(Application Specific Integrated Circuit)とは、特定の用途や目的のために設計された大規模集積回路のことです。電子機器やシステムに特化した回路として広く利用されており、その高い効率性が特徴です。

ASICには、以下のような種類が存在します:

  • USIC(User Specific IC): 特定のユーザー向けに設計された集積回路。
  • ASSP(Application Specific Standard Product): 不特定多数のユーザーが利用できる標準的な専用回路。

また、ASICの設計方法は以下の2つに大別されます。

  • フルカスタム型: 回路をゼロから設計する方式。高性能で自由度が高いが、コストと開発期間がかかる。
  • セミカスタム型: あらかじめ用意された回路ブロックを組み合わせる方式。短納期かつ低コストで開発可能。

セミカスタム型の中でも特に代表的な設計方式には以下があります。

  • ゲートアレイ方式: 基本的な論理回路が構築された半完成品を基に、顧客の要望に応じた配線を施す方式。
  • スタンダードセル方式: 標準化された機能を組み合わせて設計する方式。
  • エンベデッドアレイ方式: ゲートアレイとスタンダードセルの特徴を融合した方式。

FPGAとASICの違い

FPGAとASICの違いは主に以下の2点です。

柔軟性

  • FPGA: 回路構成を後から変更可能で、プロトタイプ開発や頻繁な仕様変更に適している。
  • ASIC: 一度設計・製造を行うと回路構成を変更できないため、特定用途での効率性が高い。

コストと開発期間

  • FPGA: 初期費用や単体コストが高いものの、設計変更や試作段階での効率性に優れる。
  • ASIC: フルカスタム型やセミカスタム型の設計には多大なコストと時間がかかる。ただし、量産時の部品単価は低く抑えられる。

FPGAとASICの選択基準

  • FPGAが適しているケース: 試作や小ロット生産、または頻繁な仕様変更が予測される場合。
  • ASICが適しているケース: 高性能が求められる用途や、大量生産でコストを抑えたい場合。

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