開発・設計 豆知識

開発ボードと評価ボードの違いとは?

  • 回路・基板設計

電子機器開発において、「開発ボード」と「評価ボード」という言葉は頻繁に耳にしますが、その違いを明確に理解しているでしょうか。ここでは、それぞれのボードの役割と、両者の違いについて詳しく解説します。

開発ボードとは?

開発ボード(Development Board)とは、マイクロコントローラ(MCU)やマイクロプロセッサ(MPU)、FPGAなどの主要な半導体チップを搭載し、ハードウェア開発を手軽に試したり、プログラミングしたりできるように設計された基板のことです。

通常、USBインターフェース、電源供給回路、プログラミング用インターフェース、各種入出力ピン(GPIO)、LED、ボタンなどが標準で搭載されています。これにより、開発者は複雑な回路設計を行うことなく、すぐにソフトウェア開発に取り掛かることができます。

例としては、Arduino、Raspberry Pi、ESP32開発ボードなどが挙げられます。これらのボードは、学習用途からプロトタイピング、小規模なプロジェクトまで幅広く利用されています。

評価ボードとは?

評価ボード(Evaluation Board)は、特定の製品(ICやモジュールなどの電子部品等)の性能や機能、特性を評価する基板です。そのデバイスが持つ本来の性能を最大限に引き出せるように、最適な周辺回路やインターフェースが実装されています。

開発ボードが汎用的な利用を目的としているのに対し、評価ボードは、特定の製品のデータシートに記載されている仕様通りの動作を確認したり、実際のアプリケーションでの性能を測定したりすることに特化しています。そのため、より高度な測定機器との接続を前提とした端子や、細かな設定を変更するためのジャンパーピンなどが多数設けられているのが特徴です。

例えば、ADC(アナログ-デジタルコンバータ)の評価ボードであれば、非常に高精度なアナログ入力とデジタル出力の確認に特化しており、電源ノイズやグラウンドの取り回しにも細心の注意が払われています。

開発ボードと評価ボードの違い

項目開発ボード評価ボード
目的作るため評価するため
目的用途ソフトウェア開発、プロトタイピング、学習特定の製品の性能評価、機能検証
汎用性高い低い(特定の製品に特化)
構成標準的なインターフェース、入出力ピン、電源特定製品の性能を引き出すための最適化された回路、高精度な測定端子、詳細な設定項目

簡単に言えば、開発ボードは「とりあえず動かしてみたい、プログラムを組みたい」ときに便利であり、評価ボードは「この製品の性能を隅々まで確認したい、データシート通りの性能が出るか確認したい」ときに不可欠なツールであると言えます。

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