開発・設計 豆知識
IoTデバイス開発・設計の基礎:センサーの選定方法
- IoT機器
IoTの活用が進む中、センサー選定は「データ品質」と「デバイス全体の信頼性」を左右する重要な工程です。本資料ではセンサーの検出方式を軸に整理し、方式選定 → 精度・コスト検討 → 実装・量産性確認、という実務に即した流れで解説します。
なぜ最初に「センサーの検出方式」を決めるべきか
センサー選定で注意すべきは、個別の製品スペック比較に入る前に検出方式(原理)を決めることです。検出方式は以下に直結します。
- 使用可能な環境(汚れ、温度、屋内外)
- 取得できる情報の質(精度・分解能・応答性)
- 消費電力・寿命・保守性
方式が定まらないまま検討を進めると、後々「利用環境に合わない」「誤検知が多い」「消費電力が合わない」といった問題が発生しやすくなります。
主なセンサーの検出方式と特徴
方式①:光学式センサー
光の反射・遮断・透過・散乱などを利用して対象物や状態を検知する方式です。
主な特長
- 高精度・高分解能
- 応答速度が速い
- 小型化しやすい
注意点
- 汚れ・粉塵・結露の影響を受けやすい
- 屋外では遮光や保護構造が必要
主な用途例
- 近接・距離検知
- 物体有無検出・通過検知
- 個数カウント
方式②:電波式(マイクロ波・ミリ波)センサー
電波を照射し、その反射やドップラー変化を利用して検知を行う方式です。
主な特長
- 非接触検知が可能
- 光・汚れ・暗闇の影響を受けにくい
- 障害物越しの検知が可能な場合がある
注意点
- 分解能は光学式に劣る場合がある
- 周囲の電波環境の影響を受ける可能性
主な用途例
- 人感検知
- 距離・レベル検知
- 屋外設備・構造物の状態監視
方式③:超音波センサー
超音波を発信し、反射して戻るまでの時間から距離や物体の有無を検知します。
主な特長
- 材質や色の影響を受けにくい
- 比較的安価で扱いやすい
注意点
- 風・温度変化の影響を受けやすい
- 応答速度はやや遅い
主な用途例
- 液面・レベル検知
- 距離測定
- 衝突防止用途
方式④:磁気式センサー
磁場の変化を検出して位置や回転、開閉状態を検知する方式です。
主な特長
- 汚れ・水・油に強い
- 構造がシンプルで高耐久
注意点
- 磁石の設置が必要
- 金属環境の影響を受ける場合がある
主な用途例
- ドア・蓋の開閉検知
- 回転数・位置検出
方式⑤:接触式・機械式センサー
物理的に接触してON/OFFや変位を検知する方式です。
主な特長
- 構造が単純で安価
- 誤検知が少ない
注意点
- 摩耗・劣化が発生する
- 高頻度動作には不向き
主な用途例
- リミットスイッチ
- 安全装置
方式⑥:無線一体型センサー(IoT向け)
検出部と無線通信(BLE、LPWA 等)を一体化した構成で、方式というより実装形態として重要です。
主な特長
- 配線不要で設置自由度が高い
- 既存設備への後付けが容易
注意点
- 消費電力設計が最重要
- 通信距離・安定性の検討が必要
主な用途例
- 設備の後付けIoT化
- 離れた場所の環境・状態監視
検出方式決定後の考え方:精度と価格
精度は「必要十分」で定義する
- 異常検知用途:相対変化が分かればよい
- 制御用途:再現性・応答性が重要
- 計測・記録用途:絶対精度が重要
用途に対して過剰な精度を求めると、コスト・消費電力・処理負荷が増大します。
価格は「デバイス全体」で評価する
- センサー単体価格
- 周辺回路・実装コスト
- キャリブレーション・調整工数
- 保守・交換コスト
安価なセンサーでも、調整工数や不良率が高ければトータルコストは増加します。
最後に確認すべきポイント
- 使用環境(屋内/屋外、温度、汚れ)
- 電源方式(バッテリー/有線)
- 想定寿命・保守性
- 将来的な量産・横展開
検出方式 → 精度 → コスト → 実装条件、の順で整理することで、失敗しにくいIoTデバイス設計につながります。
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