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アキシャル部品、ラジアル部品とは?それぞれの違いと実装方法を解説!

  • 製造・組立

プリント基板に電子部品を実装する工程において、部品の形状とリード線の出方は実装方法を大きく左右します。昨今では、面実装部品が中心となっていますが、一部挿入部品もまだ活用されているのが実情です。そんな挿入部品として代表的なのが「アキシャル部品」と「ラジアル部品」です。

そこで、当記事では、基板実装におけるアキシャル部品とラジアル部品の形状の違い、リード線の特徴、そしてそれぞれの実装方法について、図解を交えながら詳しく解説いたします。これらの部品の特性を理解することで、より効率的で最適な基板設計・実装が可能になります。

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電子部品とは?

電子部品とは、抵抗器、コンデンサ、ダイオード、トランジスタ、IC(集積回路)など、電気回路を構成するために用いられる個々の部品の総称です。これらの電子部品は、その機能や特性に応じて様々な形状や構造を持ち、プリント基板上に実装されることで、電子機器としての機能を発揮します。

リード線を持つ部品は、プリント基板のスルーホール(穴)にリード線を通してはんだ付けする「挿入実装」に用いられます。その中でも、リード線の出方によって「アキシャル部品」と「ラジアル部品」の2つの主要なタイプに分類されます。

アキシャル部品とは?

アキシャル部品は、部品の本体の両端からリード線が真っ直ぐに伸びている形状が特徴です。供給時には、これらのリード線の両端がテープに固定された状態で提供されます。主に、比較的大容量を必要とする電源基板などで使用されることが多く、抵抗、コンデンサ、ダイオードなどがこの形状で提供されます。

アキシャル部品の実装方法

アキシャル部品-電子機器ユニット受託開発設計・製造センター
  1. リード線のカット: 基板上の実装穴の間隔に合わせて、リード線を適切な長さにカットします。
  2. リード線の曲げ成形: カットしたリード線を、基板のスルーホールに挿入しやすいように曲げ加工します。この曲げ方によって、部品のリードピッチを自由に調整できるのが特徴です。
  3. 基板への挿入: 曲げ成形したリード線を、プリント基板のスルーホールに挿入します。
  4. はんだ付け: 基板裏面に出たリード線をはんだ付けし、部品を電気的・機械的に固定します。
  5. クリンチ: はんだ付け前に、リード線を軽く曲げて部品を仮固定する「クリンチ」と呼ばれる処理を行うケースがあります。

アキシャル部品実装のメリット

  • リードピッチを柔軟に調整できる。
  • 部品を縦置きにすることで、基板上のスペースを節約できる場合がある。

ラジアル部品とは?

ラジアル部品-電子機器ユニット受託開発設計・製造センター

ラジアル部品は、部品の本体の一方向から複数のリード線が出ている形状が特徴です。供給時には、これらのリード線がテープに固定された状態で提供されます。主に、表面実装化が難しい部品を挿入実装する電源基板などに使用され、抵抗、コンデンサ、ダイオードなどがこの形状で提供されます。

  • ラジアル部品の形状: 部品の一方の面から複数のリード線が放射状に伸びています。
  • 主な用途: 電源回路、高耐圧回路など、特定用途で使用されることがあります。
  • 代表的な部品: 電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、一部の抵抗器など。

ラジアル部品の実装方法

  1. リード線のカット: 基板上の実装穴の間隔に合わせて、リード線を適切な長さにカットします。アキシャル部品と比較して、リード線の加工の手間が少ないのが特徴です。
  2. 基板への挿入: カットしたリード線を、プリント基板のスルーホールに挿入します。
  3. はんだ付け: 基板裏面に出たリード線をはんだ付けし、部品を電気的・機械的に固定します。
  4. クリンチ: はんだ付け前に、リード線を軽く曲げて部品を仮固定する「クリンチ」と呼ばれる処理を行う場合があります。

ラジアル部品実装のメリット

  • リード線の加工の手間が少なく、アキシャル部品と比較して実装コストを抑えられる場合がある。

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