開発・設計 豆知識

電子機器の開発・設計における「委託」と「請負」の違いとは?

  • その他

電子機器の開発・設計を検討する際、自社のリソース不足を補うために外部パートナーへ依頼するのは一般的な手法です。しかし、契約形態である「委託(準委任)」と「請負」の違いを曖昧にしたままプロジェクトを進めると、「期待した成果物が出てこない」「想定外の追加費用が発生した」といったトラブルを招きかねません。本記事では、プロの視点から両者の定義やメリット・デメリットを徹底解説し、状況に合わせた最適な選び方を提案します。

電子機器の開発・設計における「委託」と「請負」の定義

電子機器の開発現場では、回路設計、基板レイアウト、筐体設計、組み込みソフトの開発など、多岐にわたる専門工程が存在します。これらを外部に依頼する際、法律上および実務上の大きな分岐点となるのが「委託(準委任契約)」と「請負契約」の違いです。

簡単に言えば、「委託」はプロセス(労働力)に、「請負」は結果(成果物)に対して対価を支払う契約です。

委託(準委任):作業の遂行に責任を持つ

「委託(準委任)」は、特定の業務を遂行すること自体を目的とします。例えば、「熟練した設計エンジニアを3ヶ月間、自社のプロジェクトに参画させて設計支援を受ける」といったケースがこれに当たります。受託側は「善管注意義務(プロとして最善を尽くす義務)」を負いますが、最終的な製品の完成や売上目標の達成といった「結果」までは保証しません。

請負:完成した成果物に責任を持つ

一方で「請負」は、仕事の完成を目的とします。「仕様書に基づいた試作基板を10枚納品する」「動作保証されたファームウェアを完成させる」といった、明確なゴールが設定されます。受託側は、成果物を完成させて初めて報酬を得る権利が発生し、納品物に不具合(契約不適合)があった場合は、修正や損害賠償の責任を負うことになります。

委託のメリット・デメリット

「委託」は、プロジェクトの方向性が流動的な場合に非常に有効です。

メリット

  • 柔軟な変更が可能: 仕様が固まりきっていない開発初期段階でも、状況に合わせて作業内容を柔軟に変更できます。
  • ノウハウの吸収: 自社チームと一緒に作業することで、外部エンジニアの技術や知見を社内に蓄積しやすい側面があります。

デメリット

  • 完成の保証がない: あくまで「作業」への対価であるため、時間が経過しても期待した成果が得られないリスクがあります。
  • 管理コスト: 自社で指示を出す必要があるため、プロジェクトマネジメントの手間がかかります。

請負のメリット・デメリット

「請負」は、作るべきものが明確で、外部に丸投げしてリソースを空けたい場合に適しています。

メリット

  • コストの固定化: 基本的に一括受注となるため、予算管理がしやすく、納期や品質に対する責任も明確です。
  • 管理負担の軽減: 進捗管理や細かな作業指示は受託側に一任できるため、自社の工数を最小限に抑えられます。

デメリット

  • 仕様変更が困難: 契約時に決めた仕様から変更する場合、別途追加費用が発生したり、納期が大幅に遅れたりすることがあります。
  • 中身がブラックボックス化しやすい: 成果物のみを受け取るため、どのような過程で作られたのかという詳細なプロセスが見えにくくなります。

電子機器の開発・設計の委託・請負ならお任せください

電子機器ユニット 受託開発・製造センターでは、構想設計から回路設計・基板設計・機構設計、さらには製造・試験までワンストップで対応しています。このワンストップ対応体制により、電子機器ユニットの試作・開発を丸投げできるパートナーとして幅広いお客様のご要望を解決してまいりました。

関連する開発・設計 豆知識一覧