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薄肉部品を光造形で試作する際の設計上の注意点

  • 3Dプリンター

試作段階で3Dプリンター(光造形)を活用するケースは年々増えていますが、薄肉部品の試作では、切削加工や射出成形とは異なる設計上の注意点があります。肉厚が薄い部品は、変形や強度不足、寸法精度の低下といったトラブルが起こりやすく、設計段階での配慮が仕上がりを大きく左右します。

本記事では、3Dプリンター(光造形)で薄肉部品を試作する際に押さえておきたい設計上のポイントについて解説します。

光造形(3Dプリンター)とは

光造形は、3Dプリンターの造形方式の一つで、液体状の光硬化性樹脂に紫外線(UV)を照射し、一層ずつ硬化させながら積み重ねて立体物を製作する加工方法です。積層ピッチが微細なため、他の3Dプリンター方式と比較して滑らかな表面や高精度な形状を再現しやすい点が特徴です。

3Dデータをそのまま現物化できることから試作品として活用されるケースが多く、薄肉・複雑形状の意匠確認や機能検証など、幅広い用途で使われています。

薄肉部品の試作で光造形が選ばれる理由

薄肉部品は、切削加工では工具が撓みやすく加工中に変形するリスクがあり、射出成形では金型費用がネックとなります。一方、3Dプリンター(光造形)は金型が不要で、3DCADデータをもとにそのまま造形できるため、薄肉形状であってもコストを抑えながら短納期で試作できる点が大きなメリットです。

ただし、薄肉部品は光造形においても決して簡単な形状ではなく、設計段階での注意を怠ると、反り・変形・強度不足といった不具合が生じやすくなります。

薄肉形状が光造形で難しくなる理由

積層時の反り・変形

光造形は樹脂を一層ずつ紫外線で硬化させていく積層方式のため、薄肉部分は硬化収縮の影響を受けやすく、造形中に反りや歪みが発生しやすい傾向があります。特に面積が広く肉厚が薄い形状ほど、この影響が顕著に現れます。

サポート材の跡・強度不足

光造形では、宙に浮いた形状やオーバーハング部分を支えるためにサポート材を配置しますが、薄肉部分にサポートを設置すると、除去時に破損したり、跡が残って表面品質が低下したりするリスクがあります。また、薄肉形状はそもそも積層間の結合が弱くなりやすく、強度不足につながることもあります。

二次硬化前後での寸法変化

光造形は、造形直後の段階では完全に硬化しきっていないことが多く、二次硬化(後硬化)の工程を経ることで本来の強度・耐熱性を発揮します。薄肉部分は、この二次硬化の過程でわずかな収縮や変形が生じやすく、寸法精度に影響することがあります。

薄肉部品を光造形で設計する際の注意点

最小肉厚の目安を守る

薄すぎる形状は、造形中の破損や変形のリスクが高まります。使用する樹脂材料やモデルの大きさによって最適な肉厚は異なるため、設計段階で加工先に最小肉厚の目安を確認しておくことが重要です。

リブ・補強構造で強度を補う

薄肉部分の強度が不足する場合は、リブや格子状の補強構造を追加することで、造形時の変形や破損リスクを抑えることができます。意匠面に影響を与えにくい位置に補強を配置する設計上の工夫も有効です。

ビルド方向(積層方向)を検討する

積層方向によって、薄肉部分にかかる応力やサポート材の必要量が変わります。薄肉面をなるべく積層方向と平行に近づけることで、反りや強度低下を抑えられるケースが多く、造形前のビルド方向の検討は薄肉部品において特に重要です。

サポート材の配置を考慮した形状にする

薄肉部分に直接サポートが接触しないよう、あらかじめ形状や角度を工夫しておくことで、除去時の破損や表面荒れを防ぐことができます。可能であれば、意匠面を避けてサポートを配置できるような設計にしておくと安心です。

二次硬化を前提とした設計にする

二次硬化による収縮を見込んだ寸法設計や、後硬化にかかる時間・条件を事前に加工先とすり合わせておくことで、仕上がり後の寸法ズレを最小限に抑えることができます。

薄肉部品の光造形試作を成功させるポイント

  • 使用材料・造形サイズに応じた最小肉厚を確認する
  • 強度が必要な箇所にはリブなどの補強構造を検討する
  • ビルド方向(積層方向)を薄肉部分に配慮して設計する
  • サポート材が意匠面・薄肉部にかからないよう形状を工夫する
  • 二次硬化による収縮を見込んだ寸法設計を行う

これらのポイントを設計段階で押さえておくことで、3Dプリンター(光造形)による薄肉部品の試作でも、変形や強度不足のリスクを抑えた高精度な仕上がりを実現しやすくなります。

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