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造形物の強度・剛性を向上させる3Dプリンター(光造形)の二次硬化とは

  • 3Dプリンター

3Dプリンター(光造形)は複数ある3Dプリンターの造形方式の中の1つで、最も歴史のある造形方式です。

3Dプリンター(光造形)はUVレジンを使用し、光を照射することで造形物を成形する方法で、材料を熱する時間が短く、短時間で造形ができるというメリットがあります。

また、レジン液を使用するため、なめらかな質感が実現でき透明感の高い部品を成形するのに向いてる加工方法になります。

しかし3Dプリンター(光造形)には、強度や寸法安定性などにおいてデメリットが存在します。本記事では、光造形の強度、耐久性を向上させる工程である「二次硬化」に着目して、特徴や注意点などについてご紹介します。

3Dプリンター(光造形)における課題

まず、光造形における課題についてご紹介します。

強度・剛性不足

3Dプリンター(光造形)は、負荷のかかる部品や構造体の試作において、強度が不足することがあります。その原因として、光造形物は層状に積み重ねて形成されるため、積層間の結合が弱くなるという点が挙げられます。

耐候性・太陽光に弱い

3Dプリンター(光造形)で使用されるレジンは、紫外線によって硬化する性質を持っています。そのため、太陽光に含まれる紫外線に長時間さらされると、硬化が進んでしまい、材料の変色、変形、脆化などの劣化を引き起こすことがあります。

3Dプリンター(光造形)の二次硬化とは

3Dプリンター(光造形)における二次硬化とは、光造形で造形された物体を、より完全に硬化させるための後処理工程です。

3Dプリンター(光造形)は、液体状のレジンに紫外線を照射して一層ずつ硬化させ、立体物を造形しますが、造形直後の物体は完全には硬化していないことがあり、本来の強度や耐久性、耐熱性などを十分に発揮できません。

そのため、UV硬化機を使用することで、紫外線の照射加えることで、レジン分子間の結合が強まり、光造形全体の強度が向上するだけでなく、硬化収縮や反りを抑え寸法精度の向上も実現します。

3Dプリンターの二次硬化における注意点

二次硬化を行う際には、いくつかの重要な注意点があります。これらの注意点を考慮しないと、かえって製品品質が低下する可能性があります。

過硬化による脆性化

二次硬化を過度に行うと、樹脂内部のモノマーが過剰に反応し、脆性化するリスクがあります。特にUV照射時間を長くした場合、表面が硬化しすぎて割れやすくなる可能性があります。

硬化時の収縮リスク

加熱による二次硬化では、加熱温度が過度になると造形物内部の応力が高まり、変形や寸法精度の狂いが生じる可能性があるため、適切な温度と時間の設定が重要です。

当社の3Dプリンター(光造形)の加工事例のご紹介

光造形試作品

こちらは、SLAの加工事例です。お客様より発注から5日で納品してほしいと依頼があり、同業他社では5日で対応できる企業が見当たらず、非常にお困りでした。

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エバーケース

こちらは、エバーケースの加工事例です。製品評価イベントがあり、可能な限り価格を抑え、且つ短納期での加工を希望されていました。

国内のお客様でしたが、評価先が海外であったためout-outでの輸送を前提に見積りを行いました。海外の独自の加工ネットワークを活用し、価格・納期の両方の面でお客様に満足していただく形で納品ができました。

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光造形の加工ならワンストップ部品加工センターにお任せください。

今回は光造形の二次硬化についてご紹介しました。ワンストップ部品加工センターを運営しているSST設計開発センター株式会社は、ワークサイズ800×800×500mmの大物や樹脂だけでなく金属の光造形にも対応可能です。お困りの方はお気軽にご相談ください。

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