技術情報
大型の絞り板金・プレス加工の加工手順
- 板金加工
はじめに
「大型絞り加工を依頼したいが、どこに頼んだらいいか分からない・・・」
「大型絞り加工でも短納期で品質も安心して頼める加工先を探している・・・」
上記のようなお困りごとを持たれている方は多いのではないでしょうか。また、大型絞り加工ができる先を知っていても、納期や品質の面で、新しい加工先を見直したい方も多いかと思います。
当社では、1000社を超える独自の加工ネットワークを活用して、短納期かつ高品質な大型絞り板金・プレス加工に対応することができます。そこで今回の記事では、大型深絞り板金・プレス加工サービスの特長や加工手順における加工ポイントを紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
大型絞り板金・プレス加工とは
絞り加工とは、板金やプレス成形加工の一種で、1枚の薄板を使用して、円筒や角筒、円すいなど底がある凹形状を成形する方法です。絞り加工は、板金やプレス加工の中でも難易度が高く、形状や設備、成形条件を適切に設定しないと、シワや歪み、割れなどの不良が発生するリスクがあります。特に大型サイズの絞り板金・プレス加工となると高度な技術・ノウハウが求められます。
大型絞り板金・プレス加工の加工手順
ステップ1: ブランクの形状とサイズの決定
まずは、加工前の板材の形状およびサイズを決定します。最終製品の形状とサイズに合った適切な板材を選定します。
ステップ2: 絞り工程の数を決定
製品形状の複雑さや品質要件に基づいて、必要な絞り加工の工程数を決めます。工程数を変えることで、製品形状や寸法精度、表面の仕上がりに影響するため、入念に検討する必要があります。
ステップ3: 金型設計
絞り加工をするにあたって、最も重要な金型を設計します。金型設計により、製品の形状だけでなく、品質の確保にもつながります。製品要件や材料の特性を考慮した上で最適な金型を製作する必要があります。
ステップ4: プレス機の選定
プレス機の能力は、加工の速度、サイズ、精度に影響するため、適したプレス機を選定します。
ステップ5: 絞り加工の実行
プレス機を使用して、ブランクを絞り、指定の形状およびサイズに加工を行います。加工の圧力や速度調整が、製品の最終品質に大きく影響します。その後、仕上げ加工や品質検査を行い、品質に問題のないかチェックします。
加工ポイント
当社が行う大型絞り板金・プレス加工におけるポイントは、金型設計にあります。
ワンストップ部品加工センターでは、独自の加工技術に関する知見があるため、金属型だけではなく、樹脂型の設計・製作も可能なため、短納期で大型深絞り形状を実現することが可能です。
当社の大型絞り板金・プレス加工サービス
SSTのワンストップ部品加工センターは、設計から試作、量産までの一貫したサポートを提供し、以下の強みを持っています。
①100inchモニタークラスの大型一体絞り加工に対応
当社では、なんと簡易型を用いて、100inchモニターを超えるような大型ワークの一体絞り加工に対応することが可能です。
絞り加工そのものが難しい加工ですが、当社自慢の1000社以上の協力会社ネットワークを活かし、試作段階の簡易型で上記を実現します。
②簡易型を用いて、深絞り形状まで実現
一般的に、加工が難しい深絞り加工を行うためには、パンチとダイから構成される金型が必要となります。
ワンストップ部品加工センターでは、独自の加工技術に関する知見、さらには、樹脂型を活用することで、短納期で大型深絞り形状を実現することが可能です。
③大型ワークでも、型製作から2週間で完成品をお届け
ワンストップ部品加工センターでは、大型ワークの試作板金・プレス加工を得意としております。
型製作から約2週間で完成品をお客様のもとへお届けすることが可能です。常に安定した部品供給が当社最大の強みです。
大型絞り板金・プレス加工事例のご紹介
①ドレンパン
こちらは、ドレンパンの加工事例です。
深絞り一体加工を少量で対応できるメーカーが見当たらず、お客様は非常にお困りでした。
そこで、あらゆる加工に対応することができる当社へ相談をいただきました。当社では、もちろん単品・小ロットからの深絞り一体加工に対応しており、納品先は海外で、製品の組み立てを国外でする必要があったため、国内で加工後、輸出を行いました。
②制御盤筐体
こちらは、制御盤筐体の加工事例です。出図から評価開始までわずか14日しかなく、他社に加工依頼をすると納期が1か月かかるため海外への納品に間に合わないと、お困りでした。
そこで、海外とのOut-outの対応実績がある当社にご相談をいただきました。当社はOut-outでの安定供給が可能であり、平均12~14日で対応できます。特に大型絞り板金においては、短納期対応が可能であり、出図が遅れても納期前倒しで柔軟な対応ができることから、お客様からは好評をいただいています。また、開発と図面の製作が同時進行しており、その迅速な対応力も評価されています。
③ターンテーブル
こちらは、ターンテーブルの加工事例です。
これまでは大型絞り形状の板金部品は、量産メーカーにて板金加工を行っていました。 量産部品をメインで製作しているメーカーだったため、試作部品は後回しにされ、納期が60日程かかっており、納期に間に合わないとお困りでした。
当社では、単品・小ロット品から加工対応しているため、試作部品は試作型(樹脂型)を用いて製作を行い、加工時間を短縮し、納期も14日間で納品することができました。また、費用面についても、型費を大幅に低減できたため、トータル金額として、60%のコストダウンを実現しました。
大型絞り板金/プレス加工の試作・量産加工は、ワンストップ部品加工センターにお任せください
ワンストップ部品加工センターは、開発・量産の加工パートナーとして、車載・産業機器・医療をはじめ幅広い業界のお客様の必要な部品をワンストップにて提供してきました。
どんな開発案件も、設計からワンストップ対応致しますので、板金/プレス試作・量産加工先をお探しの皆様、是非一度当社にご相談ください。