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真空注型で製造される部品の種類とは

  • 真空注型

真空注型は、試作品や少量多品種生産において、短納期かつ低コストで高品質な部品を製造できる加工方法で、多岐にわたる業界や部品に使用される加工方法です。本記事では、真空注型の概要から製造される部品の種類についてご紹介します。

真空注型とは

真空注型は、金属製の金型ではなくシリコン型を用い、真空状態で液状の樹脂を注入して成形する加工方法です。射出成形と同様の構造で製品を成形できるため、複雑な形状にも対応可能です。

まず製品データをもとに3Dプリンターなどを使用してマスターモデルを製作します。次に、このマスターモデルをシリコンで覆い硬化させた後、型を割ってマスターモデルを取り出すことでシリコン型が完成します。

シリコン型は金型に比べて耐久性は劣るものの、製作コストが低く、少量生産や試作品の成形に適している点が特徴です。

真空注型で製造される部品の種類・用途

真空注型は、その多様性と柔軟性から、多くの分野で様々な部品の製造に利用されています。
基本的に熱負荷がかかるような部品ではなく、試作段階の小ロットで、意匠性や嵌合性が求められる部品に用いられることが多いです。ここでは、その具体的な事例をいくつかご紹介します。

自動車部品

自動車業界では、試作部品や少量生産部品の製造に真空注型が頻繁に用いられています。例えば、インパネ、ダッシュボードやセンターコンソールといった内装部品が挙げられます。これらの部品は、設計変更が頻繁に発生する開発段階において、迅速な製造と評価を実現できるため、真空注型が適した加工方法といえます。

医療機器部品

医療機器の分野でも、真空注型は活用されています。例えば、医療用ロボットのアーム部分の外装品、診断機器の筐体などに利用されています。これらの部品には、表面の滑らかさが求められることが多く、真空注型が用いられることが多いです。

産業機器部品

産業機器部品において真空注型は、機械装置内部のカバーや筐体、リモコンなどの試作に活用されます。試作等の製作を短期間で行うことが真空注型を用いる最大のメリットと言えます。

家電部品

真空注型は家電製品の部品製作にも活用されており、エアコンの筐体部分、リモコン、洗濯機などの幅広い製品の製作に用いられております。

当社の真空注型の加工事例

産業用インバータケース

こちらは樹脂製インバーターケースの製作事例です。

数量が多く、製作コストが高くなる懸念があり、さらに強度も重視されるため、真空注型での製作をご依頼いただきました。通常であれば切削加工による複数部品の張り合わせで対応しますが、当社では大型真空注型を活用し、一体成形を実現しました。その結果、コスト削減と製品強度の向上を同時に達成することができました。

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計測器機 部品

こちらは、タイム計測機を真空注型で製作した事例です。

マラソンや短距離走のラップタイムを簡単に計測できる機器を製作したいものの、最適な製造方法が分からずお困りの状況でした。そこで、幅広い部品調達ネットワークを持つ当社へご相談いただきました。

製作数量は100セットと比較的多く、当初は金型を使用した製造も検討されていました。しかし、コストが想定以上に高額になることが判明したため、当社では真空注型による製作をご提案しました。その結果、コストを抑えつつ、品質や納期の面でもご満足いただける製品を提供することができました。

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真空注型ならワンストップ部品加工センターにお任せください

いかがでしょうか。今回は真空注型で製造される部品の種類についてご紹介しました。ワンストップ部品加工センターを運営するSST設計開発センター株式会社では、真空注型の豊富な実績がございます。お困りの方はお気軽にご相談ください。

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