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複雑形状の切削加工におけるポイントとは

  • 切削加工

切削加工は基本的に様々な形状を実現できる加工方法ですが、複雑な形状の加工の場合、加工ができなかったり難易度が高くなる場合があります。本記事では、複雑形状の切削加工でも高精度な加工を実現するポイントについてご紹介します。

切削加工で実現が難しい形状

切削加工で実現が難しい形状として、工具が届きにくい深い穴や細い溝、複雑な曲面形状などが挙げられます。

また、アンダーカットや隅Rが小さい形状も難易度が高いとされています。アンダーカットとは、工具が真上からでは到達できない形状のことで、加工には特殊な工具や多軸加工機が必要となります。

加えて、複数の工程を組み合わせて加工する必要がある複雑な形状は、加工時間やコストが増加するため、難易度が高くなる傾向があります。

複雑形状の切削加工が難しい理由

複雑形状の切削加工が難しい主な理由は、加工工程の増加と工具選択の難しさが挙げられます。一つの部品を完成させるために、複数の工程を経る必要があり、その都度、段取り替えや位置決めの精度が求められます。そして、一つの工程でわずかな誤差が生じると、その後の工程に影響し、最終的な部品の精度に影響を与えます。

また、複雑な形状に対応するためには、さまざまな種類の工具を使い分ける必要があります。例えば、アンダーカット形状にはティースローカッター、溝形状には球形ボールエンドミルなどが用いられます。そのため、適切な工具を選定し、加工条件を最適化する必要があります。

複雑形状の切削加工におけるポイント

以下に、複雑形状の切削加工におけるポイントについてご紹介します。

5軸加工機の活用

切削加工において、基本的に使用される3軸加工機では複数回の段取り替えが必要ですが、5軸加工機を活用することで、1回の段取りで多方向からの加工が可能になります。これにより、干渉リスクを軽減し、加工精度を向上させることができます。また、工程数が削減されることで納期短縮にもつながります。

工具の選定と管理

工具は、加工する材料や形状に合わせて最適なものを選ぶ必要があります。例えば、超硬工具やダイヤモンド工具など、材料の硬度に応じた工具を使用することで、工具の寿命を延ばし、加工精度を向上させることが可能です。また、工具の突き出し量を最小限に抑えることで、工具の剛性を確保し、びびりやたわみを防ぐことができます。

当社の切削加工事例のご紹介

インペラ

こちらは車載業界向けインペラの加工事例です。比較的大型のワークでありながら高精度な寸法が求められる難易度の高い形状でしたが、当社が保有する1,000社以上の独自加工ネットワークを活用することで、5軸加工機による加工を実現しました。その結果、短納期かつ要求通りの精度で製品を仕上げることができました。

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産業用ロボット部品

こちらは産業用ロボット部品を切削加工で製作した事例です。複雑な形状で精度が求められる加工品であったため、5軸加工を採用し、高精度な仕上がりを実現しました。当社では、このような大型ワークの部品加工にも幅広く対応しております。

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切削加工ならワンストップ部品加工センターにお任せください

今回は複雑形状の切削加工におけるポイントについてご紹介しました。ワンストップ部品加工センターを運営するSST設計開発センター株式会社では、幅広い独自のネットワークを活用することで様々な複雑形状の切削加工の実績がございます。お困りの方はお気軽にご相談ください。

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