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ヒートシンクの種類・材料と加工方法

  • 切削加工

電子機器の小型化・高性能化が進む現代において、避けて通れないのが「熱問題」です。電子部品から発生する熱は、性能低下や故障の原因となるため、適切な熱対策が不可欠です。そこで活躍するのが「ヒートシンク」です。本記事では、ヒートシンクの役割から種類、材料、加工方法まで、詳しく解説します。

ヒートシンクの役割

ヒートシンクは、熱伝導性の高い材料で作られた放熱部品です。発熱する電子部品に密着させることで、熱を効率的に拡散し、冷却する役割を担います。

ヒートシンクの主な役割は以下の通りです。

  • 電子部品の温度上昇を抑制:電子部品の温度上昇を抑え、性能維持・寿命延長に貢献します。
  • 電子機器の安定動作を維持:熱暴走による誤作動を防ぎ、安定動作を維持します。
  • 電子機器の小型化・高密度化に貢献:効率的な放熱により、電子機器の小型化・高密度化を可能にします。

ヒートシンクの種類

ヒートシンクは、形状や構造によって様々な種類があります。代表的なものを紹介します。

フィン型ヒートシンク

最も一般的な形状で、薄い板状のフィンを並べることで表面積を増やし、放熱効果を高めます。

ヒートパイプ型ヒートシンク

内部に熱伝導性の高い液体を封入したヒートパイプを利用し、効率的に熱を移動させます。

ベイパーチャンバー型ヒートシンク

内部に真空状態を作り、液体の蒸発・凝縮を利用して効率的に熱を移動させます。

ヒートシンクに用いられる材料

ヒートシンクには、熱伝導率の高い材料が用いられます。代表的な材料は以下の通りです。

アルミニウム

軽量で加工性に優れ、コストパフォーマンスも高い材料です。

熱伝導率が非常に高く、高い放熱性能が求められる場合に用いられます。

黒鉛(グラファイト)

軽量で熱伝導率が高く、柔軟性にも優れるため、薄型機器などに用いられます。

カーボングラファイト

カーボングラファイト(黒鉛)とは、炭素原子のみから構成される物質で、その独特な構造と性質から様々な用途に利用されています。熱伝導性、蓄熱性、耐熱性、軽量性に優れています。

材料の選定は、ヒートシンクの性能やコストに大きく影響するため、適切な材料を選ぶことが重要です。

ヒートシンクの加工方法

ヒートシンクは、様々な加工方法で作られます。代表的な加工方法を紹介します。

切削加工

  • 金属の塊から不要な部分を削り出す加工方法です。
  • 複雑な形状や高い精度が求められる場合に適しています。
  • 生産方法が少ない場合に用いられるケースが多いです。

押し出し成形

  • 加熱した金属を金型に通して押し出し、一定の断面形状の製品を作る加工方法です。
  • 単純形状の量産に適しており、比較的安価に製造できます。

ダイカスト鋳造

  • 溶融した金属を金型に注入し、成形する加工方法です。
  • 複雑な形状の製品を大量生産するのに適しています。

砂型・ロストワックス鋳造

  • 砂やロストワックスなどで作った型に溶融した金属を流し込み、ヒートシンクを製造する方法です。
  • 複雑な形状の製品や大型の製品を製造するのに適しています。
  • 他の加工方法に比べて比較的安価に製造できます。

>>ヒートシンクに最適な加工方法(切削加工、ダイカスト鋳造、押出し成形)

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