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アルミの切削加工

  • 切削加工

アルミは加工性に優れており、金属加工において多種多様な用途に使用されます。本記事では、、アルミの概要から種類、切削加工における特性ついて詳しくまとめておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

切削加工においてアルミを選ぶメリット

切削加工において、アルミは他の金属に比べて多くの利点を備えており、様々な分野や用途で使用されています。以下にアルミを用いる主なメリットについて詳しく解説します。

部品の軽量化と高強度を両立できる

アルミは鉄やステンレスと比較して約1/3という非常に軽い素材のため、装置や部品全体の軽量化が求められる製品設計に多く用いられます。特に大型の機械装置では、重量が設置場所や搬送方法等に影響があるため、アルミを使用することで、構造強度を維持しつつ、総重量を大幅に削減することが可能です。

複雑形状の加工に適している

アルミは加工性の良さに優れているため、複雑な形状の部品でも高精度に仕上げることが可能です。同様に軽量で強度が高いマグネシウム合金やチタン合金は「難削材」として知られており、加工に時間やコストがかかる傾向がありますが、アルミは加工性が高く、コストパフォーマンスにも優れています。

多くの特性を持ち幅広い製品に用いられる

アルミは鉄の約3倍の熱伝導率を持ち、熱を伝えやすく急速に冷却する性質があります。そのため、冷暖房装置、エンジン部品、熱交換器などに利用されています。それ以外にも、アルミは耐食性、非磁性、導電性、靭性特性に優れています。

アルミ合金の種類

アルミ合金は大きく以下の7種類に分類されます。

1000系

純アルミ(A1100、A1050など)が該当し、99.00%以上のアルミで構成されています。加工性、耐食性、溶接性に優れますが、強度は低いです。家庭用品や電気器具などに使用されます。

2000系

銅系合金(A2017、A2024など)が該当し、熱処理によって高い強度を持ちます。A2017、A2024はジュラルミン、超ジュラルミンと呼ばれ、航空機などに使用されます。

3000系

マンガン系合金(A3003、A3004など)が該当し、純アルミの加工性、耐食性を維持しつつ強度を向上させたものです。

4000系

シリコン系合金(A4032、A4043など)が該当し、熱膨張を抑制し耐摩耗性を向上させたものです。

5000系

マグネシウム系合金(A5052、A5083など)が該当し、バランスに優れ市場に最も流通しているものです。切削性も高く、当社でも加工依頼が多いです。

6000系

マグネシウム・シリコン系合金(A6061、A6022など)が該当し、熱処理により強度を高め、耐食性にも優れます。

7000系

亜鉛系合金(A7075など)が該当し、アルミ合金中で最も高い強度を持ちます。A7075(超々ジュラルミン)は航空機やスポーツ用品などに使用されます。

当社では、上記のような2000〜7000系のアルミ合金まで幅広く対応しています。他社で断られたような案件がありましたら、当社にご相談ください。

アルミの切削加工における注意点

上述の通り、アルミは加工性に優れ、様々な用途に使用されますが切削加工の際にはいくつか注意点がございます。以下にアルミの切削加工時の押さえるべき注意点についてご紹介します。

切削工具への溶着

アルミは熱伝導率が高く加工性にも優れていますが、熱により溶けやすいという特性があり、切削中に工具の刃先にアルミが溶けて付着することがあります。これにより加工面が荒れたり、工具の切れ味が落ちたりすることがあります。

そのため、対策としてエアブローの活用を活用することで切削中に発生した切り粉をこまめに除去することで、刃先への付着の防止や切削油を使用することで熱による溶着を防ぐことができます。

寸法変化や熱変形

アルミは延性が高いため、加工性が良いというメリットの反面、加工時に材料が引き延ばされることでバリが発生しやすくなります。そのため、シャープな切れ刃を持つ工具の使用や切込み量や送り速度などの加工条件を最適化する必要があります。また、加工室の室温を一定に保つことで製品の加工品質の確保が可能になります。

当社の切削加工 試作サービスの特徴

①独自の加工ネットワークを活かし、短納期対応・安定供給を実現

単品・試作や小ロットの加工は、切削加工を推奨します。鋳造・鍛造・プレス加工といった金型が必要な加工方法と比較されることもありますが、金型を起こすとイニシャルコスト・金型製作期間がかかります。

その点、切削加工の場合、イニシャルコストを抑えながら、短納期で加工を行うことが可能です。 当社では、独自の加工ネットワークを活かし、樹脂・金属・ゴムなどの様々な材料の切削加工に対応できる体制を整えています。「とにかく急ぎで試作部品が欲しい…」という方もお気軽にご相談ください。

②複雑形状や大型品など、他社では断られた案件もお任せ

ワンストップ部品加工センターでは、1,000社以上の加工ネットワークを保有しているため、複雑形状の加工はもちろん、高精度・微細な切削加工まで対応可能です。

もちろん、ワークサイズが小さな製品から、5面加工機が必要となるような大きな製品まで、柔軟に対応していますので、お気軽にご相談ください。

③アルミ以外の様々な材質に対応可能

ワンストップ部品加工センターでは、アルミの切削加工はもちろん、他社では対応できないようなマグネシウムやタングステン、スーパーエンプラなどの難削材の切削加工にも対応しています。

鉄・アルミ・ステンレスをはじめとした金属、エンプラ・スーパーエンプラをはじめとした樹脂、さらにはゴムなど、あらゆる素材の加工に対応しておりますので、まずは一度ご相談ください。

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アルミ製品の切削加工事例

①アルミ切削部品(A5052-H34)

アルミ切削部品

アルミ(A5052-H34)の切削部品の加工事例です。

この製品は、切削加工による少量生産に対応できる企業が見つからず、お客様から当社にご相談いただきました。

当社は、1000社を超える独自の部品調達ネットワークを有しており、切削加工品の少量生産と柔軟な価格調整が可能です。少量生産に加え、柔軟な価格調整により、お客様のご要望に合わせつつ、15~20%のコストダウンを実現し、大変ご満足いただきました。

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②アルミ切削部品(A5052)

アルミ切削部品

アルミ(A5052)の切削部品の加工事例です。

この製品は、切削加工による少量生産に対応できる企業が見つからず、お客様から当社にご相談いただきました。

当社は、1000社を超える独自の部品調達ネットワークを有しており、切削加工品の少量生産に強みがあります。また、柔軟な価格調整により、お客様のご要望に合わせつつ、15~20%のコストダウンを実現し、大変ご満足いただきました。

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③インバーター

インバーター

インバーターの切削加工部品の事例です。

開発納期が短い中で、製品形状に変更が発生し、従来のスケジュールでは納期とコストが合わず、お客様はお困りでした。そこで、1,000社を超える幅広い部品調達ネットワークを持つ当社にご相談いただきました。

当社では、短納期対応はもちろんのこと、お客様の要望に合わせて分納にも対応しています。お客様の組立スケジュールや最終レビューに遅れることがないように、綿密なヒアリングを行い、柔軟に対応させていただきました。

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④産業用ロボット部品

産業用ロボット部品

こちらは産業用ロボット部品を切削加工にて、製作した加工事例になります。
複雑形状の加工品であったため、5軸加工を行うことで高精度な加工を仕上げることができました。
当社ではこのような大型ワークの部品加工も承っております。

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⑤インペラ

こちらは車載業界に使用されるインペラの加工事例になります。

比較的大きめのワークかつ高い寸法精度が求められる形状であったため、当社の1,000社を超える独自の加工ネットワークを活用し、5軸加工機で加工を行ったことで短納期で要件通りの精度で仕上げることができました。

「加工内容が難しく、対応先が見つからない・・・」などのお困りがございましたら、お気軽に当社にご連絡ください。

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切削試作・量産加工のワンストップ部品加工センターにお任せください!

ワンストップ部品加工センターは、開発・量産の加工パートナーとして、車載・産業機器・医療をはじめ幅広い業界のお客様の必要な部品をワンストップにて提供してきました。

どんな開発案件も、設計からワンストップ対応致しますので、切削試作・量産加工先をお探しの皆様、是非一度当社にご相談ください。

>>当社の切削加工サービスはこちら

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